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IMY知財ニュース 2023年7月 原出願が審判係属中の分割出願に対する審査中止の運用について

今回は、今年の4月から新しくなった、分割出願の利用法に関するお話です。

拒絶査定不服審判を請求する際に、分割出願を出願することがあると思います。

従来の制度では、審判請求と同時にされた分割出願は、現出願の状況をあまり考慮されることなく、通常出願時と同じ審査手順が踏まれていました。

しかしながら、拒絶査定不服審判請求時になされた分割出願というのは、原出願の前置審査の状況または審判の結果を見て対応を考えたいという要望がありました。

 

そこで、今回の新たな制度では、拒絶査定不服審判請求と同時に行った分割出願については、原出願が(ⅰ)前置審査で登録査定となるか、(ⅱ)審決がでるか、(ⅲ)審判請求の取下等が行われるまで、分割出願の審査を中止申請することができるようになりました。

 

 

 

新制度では、原出願の結果を見てから分割出願の対応を検討することができるため、より効果的な出願戦略をとることが期待できます。

 

(1)対象となる出願

対象となる出願は、下記のとおりです。

(ⅰ)令和5年4月1日以降に審査請求がされた審査着手前の分割出願であること。

(ⅱ)子出願であること(孫出願は対象外)。

(ⅲ)原出願は前置審査または拒絶査定不服審判に係属中であること。

(ⅳ)原出願の前置審査または拒絶査定不服審判の結果を待つことが便宜であること。

 

(2)必要な手続き

必要な手続きとしては、下記のとおりです。

(ⅰ)対象となる分割出願の審査請求後、5開庁日以内に申請する。

(ⅱ)「特許法第54条第1項の適用について事情を説明する旨の上申書」およびその内容を記載した「特許庁ホームページ内にある専用フォーム」の両方を提出する。

 

審査中止申請した分割出願は、中止期間の終了後に通常の出願の審査段階に移行します。

この制度は比較的簡便な手続きで申請することができますので、お気軽にご相談ください。

 

出典

「原出願が審判係属中の分割出願に対する審査中止の運用について」(特許庁HPより)

https://www.jpo.go.jp/system/patent/shinsa/general/bunkatu-shutugan_chushi.html

 

(Y.S記)