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IMY知財ニュース 2023年1月 インスタ映え商品と意匠
近年、インスタグラムへの投稿、拡散を狙った「インスタ映え商品」の開発が増えており、特に食品業界では顕著なように思います。
このようなインスタ映えを狙った商品は、外観に特徴がありますので、物品のデザインを保護対象とする「意匠権」で保護することができます。
今回は、インスタ映えを狙った商品の意匠の登録例について紹介したいと思います。
・権利者 株式会社GAKU
・物品 容器付き菓子
・部分意匠であり、赤色(苺)以外の部分が登録を受けようとする部分です。
・透明のボトルにケーキの断面(スポンジケーキ、生クリーム、フルーツ(苺))が見えるように配置されています。商品は、「ショートケーキ缶」という名前で販売されています。
・権利者 株式会社THREAD WING
・物品 ケーキ
・全体意匠
・「見た目はおむすび、なのに中身はケーキ」というコンセプトのフィルム付きのケーキで、「おむすびケーキ」という名前で販売されています。のりの部分にブラックココアのクレープ、ごはんの部分にクリームを挟んだケーキが配置された構造です。
・権利者 関西フーズ(老舗回転寿司「力丸」)
・物品 カップ入り寿司
・全体意匠
・飲み物のように持ち歩いて食べられるというコンセプトで開発されたお寿司です。容器が透明なので、容器の外から多段層に積層されたすし飯を視認することができます。
・権利者 株式会社竹翠堂
・物品 板付き寿司
・全体意匠
・レストランで提供されるお寿司の盛り付けで、手巻き寿司用の具材を大皿の上に間隔をあけて並べた状態が意匠登録されています。
従来は、容器とその中身、料理と盛り付け皿などをセットにして1つの意匠として登録することはできませんでした。意匠法7条に規定する一意匠一出願に違反すると判断されるためです。
しかし、知財高裁の「容器付冷菓事件(平成28年(行ケ)第10034号)」の裁判例により、特許庁の意匠審査基準の運用が改定され、一体的に市場で流通するとともに、食べるときでも一体的である場合は、複数物品であっても一つの物品と判断され、一つの意匠で登録できるようになりました。
弊所では、インスタ映え商品に関する意匠出願も取り扱っております。
ご興味のある方は、弊所までご連絡下さい。
(M.M 記)