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IMY知財ニュース 2026年3月 商標「くるんっと前髪カーラー」事件
今回は、擬態語を含む文字商標の識別力(自他商品識別力)が争われた事例について、紹介します。
【「くるんっと前髪カーラー」事件】
知財高裁判決(令和5年(行ケ)第10030号)において、文字商標「くるんっと前髪カーラー」の登録の有効性が争われました。
■事案の経緯
①出願・登録
商標:「くるんっと前髪カーラー」
指定商品:第26類「ヘアカーラー」
登録成立(第6399042号)
②無効審判請求
第三者(競合他社)が、「商品の用途・品質を示す記述的表示にすぎない」として無効を主張
③特許庁審決(無効2022-890041)
結論:登録維持(無効不成立)
理由:「くるんっと」はやや抽象的・感覚的表現であり、全体として一定の識別力を有する
④審決取消訴訟(知財高裁)
審決を不服として提訴
⑤知財高裁判決(令和5年9月7日)
審決を取り消し(=無効方向)
■知財高裁の判断
裁判所は、次のように判断しました。
「くるんっと」
→ 髪のカール状態を示す一般的な擬態語
「前髪カーラー」
→ 商品の用途(前髪用カーラー)を直接表示
➡需要者にとって商品の特徴・用途を示す説明的表示にすぎない
➡自他識別力は認められない(3条1項3号該当)
<コメント>
「くるんっと」のように促音「っ」等を含むと一定の語感上の特徴は認められるものの、記述的表示から脱却するには不十分と評価されることがあります。そのため、商品のネーミングを検討する際には、造語性を確保することが重要となります。
弊所では、商標調査および商標の選択についてのアドバイス等も行っておりますので、商標出願をご検討の方はお気軽にご相談ください。
(A.S 記)
