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IMY知財ニュース 2026年2月 台湾の意匠制度

今回は、台湾代理人との意見交換を通じて得られた台湾の意匠制度について紹介させていただきます。

特に、日本との違いが顕著な「分割出願制度」の運用について、実務上重要と思われるポイントをまとめました。

 

1.日本の意匠分割出願制度

 

日本では、「一意匠一出願の原則」(意匠法第7条)が定められており、

複数意匠を誤って一出願に含めた場合の救済措置として分割出願制度が設けられています。

 

 

2.台湾の意匠分割出願制度

 

台湾では、2020年の審査基準改訂により、分割出願に対する制限が緩和され、

よりフレキシブルな運用が可能となっています。

分割出願が原出願の出願時の図面に開示された範囲を超えない限り、

分割を否定する法的根拠はないという整理が明確化されました。

 

分割が可能な代表的な3つのパターンを以下に示します。

 

 

3.分割可能な3つの代表的パターン

台湾では、以下のようなケースで分割が可能とされています。

 

(1)全体意匠から部分意匠への分割出願、または、部分意匠の範囲を変更する分割出願について

原出願が全体意匠で、分割出願を部分意匠とする分割出願も可能です。

また、原出願が部分意匠の場合でも、実線部分を異なる範囲にして分割出願することも認められています。

 

(2)参考図に関する分割出願について

「参考図」に関する分割出願も可能です。

 

(3)部品に関する分割出願について

出願時の図面において、構成部品の一部が明確に示されている場合、

その構成部品に関する分割出願も可能です。

 

(上記図面の引用:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/jpowp/wp-content/uploads/2021/12/01cc22636ee91e56f8d100a478c3ef18.pdf

 

 

4.実務上の意義

 

台湾の意匠制度は、原出願の図面に開示された範囲内であれば、

後日、分割して権利範囲を調整できるという、権利者にとって極めて有利な対応が可能な制度といえます。

 

特に、部品単位での模倣対策が重要な業界や、競合の動向を見ながら権利範囲を調整したい案件などにおいて非常に有効です。

 

 

5.弊所コメント

 

台湾代理人との意見交換を通じて、台湾では、分割出願を戦略的ツールとして活用する運用が進んでいることを実感しました。

日本の意匠分割出願は救済的色彩が強い制度で、戦略的には活用できない制度ですが、

日本の意匠制度においても、よりフレキシブルな分割制度の導入が検討されることを期待したいところです。

 

(M.M記)