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IMY知財ニュース 2025年11月 マスコットキャラクターに関する商標

今年は至る所でミャクミャク(大阪・関西万博の公式キャラクター)を目にした1年でした。ミャクミャクのようにイベント用に誕生したキャラクターや、ご当地キャラクターを含めると、数えきれない程のマスコットキャラクターが存在します。

 

このような状況の下、さほど有名ではないご当地キャラクターのキャラクター名(文字商標)を、団体とは無関係の他人が商標登録を受けることができるかどうかが争われた事例がありましたので、簡単に紹介します。

 

<事例の概要>

本件出願人(個人)は、2021年11月30日に、第9類(アニメーションを内容とする記録済み媒体及び動画ファイル、など)および第16類(パスポートホルダー、など)を指定商品とし、「ぽんちゃん」の文字(標準文字)を商標登録出願しました(商願2021-154842)

 

これに対し、特許庁は、「ぽんちゃん」の文字は、群馬県館林市が観光事業について使用している著名なマスコットキャラクターである「ぽんちゃん」を認識させるものであり、本願商標は、公益に関する事業であって営利を目的としないものを表示する標章であって著名なものと同一又は類似の商標と判断するのが相当である(商標法4条1項6号に該当)、として拒絶しました。

 

◇引用キャラクター(群馬県館林市のマスコットキャラクター)

  挿絵, 抽象 が含まれている画像 AI 生成コンテンツは誤りを含む可能性があります。

 

本件出願人は、これを不服として、2024年10月1日に審決取消訴訟を提起しました。

 

<知財高裁の判決(要旨)>

引用キャラクター及びその愛称である「ぽんちゃん」(引用標章)は、館林市民にはなじみのあるキャラクターとして広く認識されていると認められ得るものの、館林市外への露出は散発的かつ限定的であり、群馬県の総人口約197万人に対して館林市の人口が8万人弱にとどまることからしても、群馬県及びその周辺において広く認識されていると認めるには至らない

 

そうすると、引用標章は、館林市及び館林市観光協会による観光振興事業の地域性を考慮しても、相応の規模の地理的範囲において広く認識されているということはできないから、商標法4条1項6号にいう「著名なもの」に当たらない。

 

よって、これと異なる特許庁の審決の判断は誤りである。

 

参考:令和6(行ケ)10090

https://www.courts.go.jp/hanrei/93958/detail8/index.html

 

<コメント>

今回の出願人は、まさに群馬県館林市に居住の個人であるため、そのあたりの事情が特許庁の判断(拒絶審決)に影響を与えた可能性が高いものと思われますが、今回の判決により、「ぽんちゃん」の文字商標は今年8月に登録されています(登録6962541)。

 

今回の判決によれば、市町村レベルで認識されているに過ぎないキャラクター名で、かつ、そのキャラクター名が商標登録されていなければ、同一のキャラクター名の商標について登録を受けることができるということになります。しかし、無用な争いを避けるためには、ご当地キャラクターと同じ名称の文字商標は選択しない方が無難と思われます。

 

弊所では、商標調査および商標の選択についてのアドバイス等も行っておりますので、商標出願をご検討の方はお気軽にご相談ください。

 

A.S 記)