- お知らせ
IMY知財ニュース 2025年6月 AIを利用して作成した商標について
特許庁は令和7年6月13日に行われた産業構造審議会商標制度小委員会において、人工知能(AI)を利用して作成した「商標」の登録を現行制度で認める方針を正式に確認しました。
この決定により、AIツールを活用して商標デザインを創作し、出願人を企業や個人とすることで、従来と同様の手続きで商標登録を受けることが可能となります。
特に注目すべき点は、他人の既存の登録商標をAIの学習データとして使用することについても法律上問題ないとの判断が示されたことです。
商標法は、創作物を保護するのではなく、文字や図形などの選択物を保護するため、この判断は当然であるように思います。
ただし、AIを利用して作成した「商標」は、既存商標に類似している可能性がありますので、出願前調査がより重要になります。
商標分野でのAI利用が明確化される一方、特許や意匠の分野でもAI技術の活用が急速に進展しています。
特許分野では、AIの発明該当性、発明者などについて国際的な議論が続いています。
現在、日本を含む多くの国では「自然人」のみが発明者となれるため、AI単独による発明の特許取得は困難とされています。
特に、人口知能ダバス(DABUS)事件の控訴審判決(令和6年(行コ)第10006号)では、特許を受けることができる発明は、自然人が発明者であるものに限られると解するのが相当と判断しました。
特許法では、発明者が自然人であることを大前提としている以上当然の判断であり、AI発明の問題に関しては、地裁および知財高裁ともに、立法化のための議論が重要であると判断しています。
上記の議論に関して、令和7年4月22日に行われた特許制度小委員会で早期に考え方を整理する方針が確認されました。
意匠分野においても、AIが生成したデザインの意匠該当性や創作者などについて議論されており、令和7年5月22日に行われた意匠制度小委員会で早期に考え方を整理する方針が確認されました。
このように、知財制度は技術の進化とともに変化し続けています。
今後の最新の動向に注意が必要です。
(M.M記)
